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かつて、西郷隆盛は「子孫に美田を残さず」、と語ったといわれています。おそらく、子孫の骨肉の争いを危惧したために違いありません。

財産の前に、思想も、節操も、心情も吹き飛んでしまう現実を数多く見てきました。その争いは、とどまる事を知りません。

残すべき、財産が何もないことが、ある意味幸福なのかも・・・と思ってしまいます。

また、「虎は死して皮を残し、人は死して名を残す」、ということわざもあります。
西郷の征韓論は歴史的に見て、評価は低いかもしれません。
しかし、彼は今日もなお、実に多くの人から愛され、慕われています。

多分、彼の生き様の根底に「金も、地位も、名誉も要らない、という人間は最も始末に困る。しかし、そういう人でなければ、本物の仕事は出来ない。」との、確立された人生観が流れていたと思われます。

遺言は、法律家があえて定義付けるとすると、
「家族関係や財産関係に関する一定事項につき、自分の死後に効果が発生することを意図する最終の意思表示であって、一定の方式に従ってなされる相手方のない単独行為である。」
とでもなるでしょう。

しかしながら、遺言の本質はこういう無機質の定義からは垣間見られない、人の子孫に対する愛情行為にこそ求められるべきものと考えます。法律とは、本来そう有るべきものだと確信します。
愛情を込めた遺言作りにこそ、遺言の本質が隠されているような気がしてなりません。

当サイトでは、相続・遺言書・成年後見制度等についての精しい解説をしております。どうぞご参照下さい。

当オフィスでは、紛争の起こらない愛情のこもった遺言書作りのお手伝いをしています。

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相続 Q&A(相続 遺言 遺産分割協議書 相続放棄 相続財産 法定相続分等)

哀しい事に生命には限りがあります。人の生命の終焉を迎えた時に、それと同時に相続という問題が発生します。

故人の死を悼む間もなく、それまで仲のよかった兄弟姉妹が相続財産をめぐって骨肉の争いを演じたりします。

当オフィスでは、相続人の確定、相続財産の確定、財産(遺産)目録の作成、遺産分割協議書の作成などの書類作成手続きのみならず、それに伴う様々なご相談も承っております。

初めてそういう場面に出くわした場合、一体何から手をつけてよいかわからないという方も多いと思います。

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遺言Q&A(自筆証書遺言 公正証書遺言 検認
遺言執行者 遺贈 遺留分減殺請求権等)

  • 遺言書とは縁起でもない・・・
  • 自分には財産がないから、別に遺言書を書いておかなくても・・・
  • 子供たちは皆仲が良いから相続争いなんて無縁だよ・・・

しかしながら、そういう仲の良い兄弟たちが、骨肉の争いを繰りひろげている事実は枚挙に暇がありません。

折角仲が良かったのに財産を残したばかりに兄弟姉妹が疎遠になる、という事例は身近なところにきっと幾つも転がっている事でしょう。

  • そんな無用な紛争を避ける為にはどうすればよいのか・・・
  • 自分の真意を正確に伝えるにはどういう書き方がよいのか・・・
  • 遺言書はこれまでの人生の総決算です。親は自分たちの為に如何に努力してきたか、如何に子供たちを思いやっていたか、子供たちが今後も仲良く暮らしていく為には・・・

そういう愛情の最後の表現こそ遺言書の意義だと思います。

決して財産分与だけが遺言書の役目ではありません。

もし、お困りの方がいらっしゃいましたらご遠慮なくご相談下さい。

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成年後見制度のQ&A(成年後見 後見人 保佐人 補助人 任意後見等)

遺言(2)・・・自筆証書遺言

2.自筆証書遺言とは何ですか?

2.遺言は、遺言をする人の真意を確保し、後の偽造、変造を防止するために、厳格な要式行為となっています。

遺言の方式には普通方式特別方式があります。

普通方式

普通方式が本来の方式で、自筆証書公正証書秘密証書の3種類があります。

厳格な要式性が要求されます。

特別方式

死が差し迫り、普通方式に従った遺言をする余裕のない場合に用いられます。
これには、危急時遺言隔絶地遺言があります。

一.自筆証書遺言の方式

1.特色

最も簡単に作成できる遺言です。
遺言者が、その全文、日付、氏名を自書し、押印するだけです。

〈長所〉
  • 遺言の存在自体を秘密に出来る。
  • 遺言の内容を秘密に出来る。
〈短所〉
  • 紛失、偽造、変造の危険があります。
  • 隠しすぎると、遺言そのものが、発見されません。
  • 文意が不明などの理由で効力が問題となる可能性が大きいといえます。
2.自書

自書は偽造・変造を困難にし、遺言者の真意による事を担保するための要件です。
ですから、パソコンやタイプライターで作成すると無効になります。

自書は、自筆で筆記する能力ですので、文字を知らなければ自書能力は認められません。
視力がなくても自書できれば自書能力は認められます。

(判例)最判昭和62年10月8日民集41−7−1471

・視力の喪失や病気のために手が震えるなどの理由で、運筆に他人の助けを借りてもそれだけでは自書能力は否定されません。

・しかし、老人性白内障による視力の減退と脳動脈硬化症による手の震えのため、単独で遺言者の手を取って、他人が遺言者の声に従って誘導しつつ作成された遺言は、自書の要件を欠く、としています。
 

〈判例〉最判平成5年10月19日(家月46−4−27〔百選80〕

・自筆証書をコピー機でコピーして作成した遺言は自書の要件を満たさない。
・しかし、カーボン紙を挟んで自書したカーボン複写は、実質的に自書に等しいとして、有効としています。

3.押印

押印も、自書と同様に、遺言者の同一性、真意を確認するための手段です。
使用すべき印鑑には何の制限もありません。従って三文判でも大丈夫です。

(判例)最判昭和49年12月24日民集28−10−2152

日本に40年住んだ帰化ロシア人が署名のみの自筆証書遺言を作成したのを有効としました。
 

(判例)最判平成元年2月16日民集43−2−45

指印(印章に代えて拇印その他の指頭に墨・朱肉等を付けて押印する事)でも良いとしました。
 

(判例)平成6年6月24日家月47−3−60〔百選79〕

押印の場所についても、自書名の下ではなく、封筒の封じ目に押印したものでも良いとされました。

4.日付
  • 日付は、作成時の遺言能力の有無や内容の抵触する複数の遺言の先後を確定するために要求されます。

  • 複数の遺言がある場合は前の遺言は無効になります。

  • 日付を欠くと無効になりますので、注意が必要です。

  • 日付が確定できれば良いので「還暦の日」という記載も有効です。

(判例)最判昭和54年5月31日民集33−4−445

「昭和四拾壱年七月吉日」という記載は無効とされました。

5.実務面から見て

判例は真正な遺言は要式性を多少犠牲にしても有効にしようとの流れがあります。
しかし実務的には無用な紛争を避けるために、できるだけ要式性を守ったほうが無難です。

例えば、

  • 三文判より実印を使う。
  • 印鑑は必ず押す。
  • 押印の場所も、縦書きの場合は自書の下、横書きの場合は自書の横。
  • 日付も「還暦の日」よりも「平成○年○月○日」と確定する。
  • 指印よりも実印を

等です。

結局、裁判をすれば有効になったとしても、要式性を欠くと無用な紛争の原因になりますし、時間も、費用も大きな損失を伴います。

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遺言(3)・・・公正証書遺言

3.公正証書遺言とは何ですか?

1.公正証書遺言とは、以下の方式に従い公正証書で作成される遺言の事をいいます。
  1. 証人二人以上の立会いのもとで
  2. 遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授し
  3. 公証人が遺言者の口授を筆記し、これを遺言者及び証人に読み聞かせ、又は閲覧させ
  4. 遺言者及び証人が、筆記の正確な事を承認した後、各自これに署名します。
    ただし、遺言者が署名できない時は、公証人がその事由を付記して署名に代えることが出来ます。
  5. 公証人が、その署名が以上の方式に従って作ったものである旨を付記して署名に代えることが出来ます。
2.長所

(1)公正証書遺言は、公証人の面前で作成しますから、変造や失くしたりする危険もなく(原本が公証人のところにある)それゆえに、家庭裁判所での検認も不要。

(2)公証人が関与しますので効力が問題となる危険性も少なくなる。

3.短所

(1)公証人・証人に内容を知られてしまう。

(2)手続きが面倒。

4.

それにも拘らず、近時はよく使われています。1966年には7,767件に過ぎませんでしたが、近時は50,000件を越えるようになりました。

5.

以前は、聴覚・言語機能障害者は公正証書遺言を出来ませんでした。しかし、平成11年の民法改正で手話通訳や筆談によって公正証書遺言をする途が開かれました。

6.(判例)

最判昭和43年12月20日(民集22−13−3017)

筆記と口述の順序が前後しても有効
 

最判昭和55年12月4日「民集34−7−835〔百選81〕」

視覚障害者の証人適格を有効

遺言(4)・・・秘密証書遺言

4.秘密証書遺言とは何ですか?

一.

秘密証書遺言とは、公証人や証人の前に封印した遺言書を提出して、遺言の存在は明らかにしながら、内容を秘密にして遺言書を保管することの出来る方式の遺言です。

二.

利用は少なく、公正証書遺言が毎年50,000件を超えているのに対し、100件台です。

三.

以下の方式に従ってなされます。

  1. 遺言者が遺言書に署名押印し
  2. 遺言者がそれを封じ、遺言書に用いたのと同じ印章で封印する。
  3. 遺言者が公証人1人及び証人2人以上の前に封書を提出し、自己の遺言書である事と自らの氏名及び住所を申述し
  4. 公証人がその遺言書を提出した日付及び遺言書の申述を封紙に記載した後、遺言者及び証人とともにこれに署名押印する。
  5. 遺言書の証書自体には特別の方式はありませんので、遺言者の署名・押印があれば、本文は代書、タイプ、点字等でも構いません。
  6. 秘密証書遺言としての要件を欠いていても、自筆証書遺言としての要件を具備していれば、自筆証書遺言として有効となります。(無効行為の転換)
  7. 海外に住む日本人が、公正証書遺言や秘密証書遺言をしようとする場合は、公証人の職務は、日本の領事がこれを行います。
四.(長所)
  1. 遺言の存在を明確にし、秘密が保てます。(中身は本人以外誰にもわかりません。)
  2. 公証されていますので、偽造、変造の危険を避ける事ができます。
  3. 署名、押印さえ出来れば、たとえば代書等により字がかけない人でも書くことが出来ます。
五.(短所)
  1. 公証人が関与するので手続きがやや煩雑です。
  2. 遺言の内容自体は公証されていないので、紛争の可能性はあります。
  3. 証人二人以上の立会いが必要です。

遺言その(5)・・・遺言の方式
(危急時遺言・隔絶地遺言)

5.危急時遺言及び隔絶地遺言とは何ですか

5.危急時遺言には、死亡危急者遺言と船舶遭難者遺言があります。

一.死亡危急者遺言
  1. 疾病その他の事由によって死亡の危急に迫った者が遺言しようとする時用いられます。
     
  2. 証人3人以上の立会いをもって、その1人に遺言の趣旨を口授して行います。
     
  3. 口授を受けたものは、これを筆記し、遺言者及び他の証人に読み聞かせ、又は閲覧させ、各証人がその筆記の正確な事を承認した後に、これに署名押印します。
     
  4. 遺言者が「口がきけない者」の場合は、通訳人の通訳により申述して口授に代えます。
     
  5. 遺言者又は「他の証人」が「耳が聞こえない者」の場合は、通訳人の通訳により「読み聞かせ」に代えます。
     
  6. 以上の方式でなされた遺言は、遺言の被から20日以内に証人の1人又は利害関係人から請求して家庭裁判所の確認を得なければ効力を失います。
     
  7. これは危急時遺言にのみ要求されている手続きで、遺言が遺言者の真意に出たものかどうかが判断されます。
二.船舶遭難者遺言
  1. 船舶遭難の場合に船舶中にあって死亡の危急に迫った者がなし得る遺言です。
     
  2. 証人は2人以上で、口授の場所で筆記する必要もありません。
     
  3. 航空機遭難の場合も類推適用されると解されています。
     
  4. 船舶遭難の場合も証人の1人又は利害関係人から遅滞なく請求して家庭裁判所の確認を得なければ効力が失われます。
     
  5. 船舶がタイタニック号のように沈没したり、航空機が墜落したりした時に現実問題としてこのような事が起きることはごくまれなケースでしょう。
三.隔絶地遺言

伝染病により隔離された者の遺言(伝染病隔離者遺言)と船舶中にある者の遺言(在船者遺言)を合わせて隔絶地遺言といいます。

  1. 一般社会との自由な交通が法律上・事実上立たれている場所にいる場合の方式です。
     
  2. 前者は警察官1人と証人1人以上の立会いが必要です。後者は船長又は事務員1人と証人2人以上の立会いをもって遺言書を作る事が出来ます。
     
  3. 遺言書自体は自筆である必要はありませんが、遺言者、筆者(代書した場合)、立会人及び証人が遺言書に署名・押印しなければなりません。
     
  4. 隔絶地遺言は、危急時遺言のように家庭裁判所の確認を得る必要はありません。
四.

特別方式による遺言は、遺言者が普通方式による遺言が出来るようになった時から6ヶ月間生存する時は効力を失います。普通方式による遺言が出来るようになれば、もはや簡易な特別方式を認める必要はないからです。

遺言その(6)・・・遺言の執行と検認

6.遺言の執行と検認について教えてください。

一.遺言の執行
  1. 遺言の内容を実現するために、特に実現手続きを要しないもの
    〈例〉
    (イ)後見人の指定
    (ロ)相続分の指定
     
  2. 誰かが法律行為や事実行為をしなければならない場合
    〈例〉
    (イ)登記の移転
    (ロ)物の引渡し
     
  3. 遺言の執行は事実上相続人によって行われる場合が普通ですが、遺言執行者を選任することも出来ます。
二.遺言書の検認
  1. 遺言の執行のためには、公正証書遺言を除き、家庭裁判所で検認という手続きを経なければなりません。
     
  2. 公正証書以外の遺言書の保管者は、相続の開始を知った後、遅滞なく遺言書を家庭裁判所に提出して検認を請求しなければなりません。
     
  3. 遺言書の保管者がいない場合に、相続人が遺言書を発見した場合も同様の手続きを踏まなければなりません。
     
  4. 検認とは、遺言書の保存を確実にして、後で偽造されたり変造されたり隠匿されたりする事を防ぐための一種の証拠保全手続きです。
     
  5. どのような筆記用具で、どんな内容が書かれ、どのような用紙何枚にわたっているのか、又、日付、署名、印はどうなっているのか、等を記録します。
     
  6. それを、検認調書に記載して、通常はコピーを添付します。
     
  7. 検認手続きは、遺言が遺言者の真意に基づくかどうか、遺言として有効かどうかなどを判断するものではありません。
     
  8. したがって、検認を怠っても5万円以下の過料には処せられますが,遺言としての効力には影響を与えません。
     
  9. 又、公正証書遺言は、偽造変造の恐れがありませんので、検認は不要です。
三.遺言書の開封
  1. 封印のある遺言書(秘密証書遺言は常にこれにあたります)は、家庭裁判所で相続人又はその代理人の立会いをもって開封しなければなりません。
     
  2. これに反した場合も、5万円以下の過料に処せられます。
     
  3. 実際は、遺言書がある筈にも拘わらず、それが家庭裁判所外で開封され、隠匿・破棄されている場合が多々あります。
     
  4. この程度の制裁では意味がないようにも思われますが、制裁を重くしすぎても、悪気がなく開封した人に余りにも重い制裁を科すのも問題があります。

遺言その(7)・・・遺言執行者

7.遺言執行者とは?

いくら立派な遺言書を書いても、その通り実行されないと全く意味がありません。そこで、遺言者は、遺言で、その通り実行してくれる1人又は数人の遺言執行者を指定したり、その指定を第三者に委託したりする事が出来ます。

一.遺言執行者をおかなければならない場合
  1. 遺言の執行は、相続人自身が行ってもよく、必ずしも第三者である遺言執行者の選任が不可欠な訳ではありません。
     

  2. しかし、次のような場合は遺言執行者をおかなければなりません。
    (ア)子の認知
    (イ)相続人の廃除・その取り消し

  3.  

    (ア)は戸籍法の定めによる届出が、
    (イ)は家庭裁判所による審判を請求することが必要ですが、実質的に利害が対立する相続人にそれを期待する事ができないからです。

二.遺言執行者の選任
  1. 遺言による場合(指定を第三者に委託してもよい)と、
  2. 利害関係人の請求によって家庭裁判所が行う場合があります。
  3. 遺言執行者に選任されても、就職を承諾する必要はありませんが、もし、承諾をすれば、直ちにその任務を行わなければなりません。
  4. 承諾するかどうか返答しない場合のために利害関係人には催告権があります。
三.遺言執行者の権限
  1. 遺言執行者は相続財産の管理や遺言の執行に必要な一切の行為をする権利と義務があります。
     
  2. すぐに、相続財産の目録を調整して相続人に交付しなければなりません。
     
  3. 遺言執行者は遺言の執行については相続人と委任類似の関係に立ちますので、委任契約における受任者の義務、責任、費用償還に関する規定が準用されています。
     
  4. 遺言執行者は遺言に反対の意思表示がない限り、やむをえない事由がなければ、第三者に任務を行わせる事が出来ません(復任権がない)。
     
  5. 複数の遺言執行者がいる場合もありますが、この場合は、保存行為は単独で、その他の行為は過半数で決します。
     
  6. 報酬については、遺言で定めていればそれによりますが、定めがない場合も、家庭裁判所が、相続財産の状況等の事情を考慮して定める事ができます。遺言執行の費用は相続財産から支払われますが、それによって、遺留分が減る事はありません。
四.解任・辞任
  1. 遺言執行者が任務を怠るなど正当な事由があるときは、利害関係人は家庭裁判所に解任を請求できます。
  2. 遺言執行者自身も正当な理由があれば,家庭裁判所の許可を得て辞任することが出来ます。

遺言その(8)・・・遺贈

8.遺贈は何の制限もなく自由に出来ますか?

遺贈については、以前、相続のところで簡単にお話して来ました。ここでは、もう少し詳しく問題点を検討してみたいと思います。

一.遺贈とは
  1. 遺贈とは、遺言によって自分の財産を無償で他人に与えることを言います。

  2. 遺言者は、包括または特定の名義で、財産の全部又は一部を処分できます。

  3. 遺贈によって利益を受ける者を受遺者といいます。

二.遺贈の自由
  1. 遺贈は生前自由に処分できた自分の財産を、遺言という最終の意思表示によって処分することであるので、どのように処分しようと原則として自由な筈です。

  2. しかしながら、契約ではなくて単独の意思表示による財産処分であり、且つ自分の死後に効力を生ずるものですので、それがどのように、遺族に影響を及ぼそうと責任を取るわけにはいきません。

  3. こういう点からみて、遺贈が自由であるといっても、全く無制限であるという訳にはいきません。

三.遺留分による制限
  1. 遺族間の公平に対する配慮として民法は以前お話した法定相続という制度を用意しています。

  2. いかに遺贈が自由とはいえ、法定相続からの逸脱が許容限度を超えると、公平を欠くという評価を受けます。

  3. そこで遺留分制度(後述します)という被相続人の意思では奪えない相続分を定め、残された範囲内でのみ遺贈の自由が認められることになっています。

四.公序良俗との関係
  1. 遺贈も法律行為である以上、たとえ遺留分を侵害していなくても、90条の公序良俗による制限に服します。

  2. 裁判上、公序良俗に反するとして問題になるケースは、その多くは婚姻外の愛人に対する遺贈です。

  3. 判例は、贈与契約の場合と同じような論理で、不倫な関係の維持継続を目的とする遺贈は公序良俗に反して無効である、としてきています。

  4. ところが、婚姻外の愛人に対する遺贈には、本妻の住む住居とは別に愛人の為に住居やお店を持たせ、それを与えるというものが多く見受けられます。

  5. これを無効としてしまいますと、愛人の生活が脅かされます。

  6. そこで、判例はこれらの遺贈は、必ずしも不倫な関係の維持を目的とするものではなく、愛人の生活を保持する目的のものである、という理由でこれを、有効である、というルールを定立しました。

遺言その(9)・・・遺留分減殺請求権

9.遺留分減殺請求権とは何ですか?

一.遺留分制度とは
  1. 本来、被相続人には自らの財産を自由に処分できる権利があります。

  2. したがって、全財産を生前贈与なり遺贈によって第三者に与える事も出来るし、相続分の指定によって特定の相続人に全財産を相続させることも出来る筈です。

  3. しかし、相続制度は遺族の生活保障及び潜在的持分の清算という機能を有しています。

  4. そこで、被相続人の処分の自由と相続人の保護との調和のため、相続財産の一定割合を一定の範囲の相続人に留保するという制度が置かれました。これが、遺留分制度です。

二.相続回復請求権との比較
  1. 相続回復請求権の場合は、本来権利のない表見相続人から真正な権利者が財産を取り戻すのですから、取り戻す事自体には正当性があります。

  2. しかし、遺留分減殺請求権の場合は、被相続人が自分の財産を処分するという当然の権利行使に対して、相続人が事後的に文句を付けようという訳であり、しかも相手方は有効に処分行為を受けた第三者なのであって、その法的効果は、はるかに過激であるといえます。

  3. 相手方の期待、および取引の安全への配慮が必要となります。

三.遺留分権利者
  1. 兄弟姉妹を除く法定相続人(配偶者・子・直系尊属)です。

  2. 胎児・代襲者も含まれます。

  3. 相続欠格・廃除・相続放棄があれば遺留分はありません。(相続人にならないから)

四.遺留分率
  1. 直系尊属のみが相続人となる時
    ・被相続人の財産の1/3

  2. その他の場合
    ・被相続人の財産の1/2

  3. 配偶者と兄弟姉妹
    ・1/2はすべて配偶者

五.減殺の意思表示
  1. 受遺者や受贈者に対する権利者の一方的な意思表示です。裁判外でも出来ます。
  2. 遺留分減殺請求権は1年の短期消滅時効に服します。
六.遺留分の放棄
  1. 相続開始前の遺留分の放棄は、家庭裁判所の許可を受けた時だけ出来ます。
  2. 放棄の効果は、他の遺留分権利者の遺留分が増えるのではなく、単に被相続人が処分できる財産の割合が増える事になります。
  3. 遺留分を放棄しても、相続放棄ではありませんので、相続人の地位は失いません。

相続 遺言 遺留分

「相続」と聞くとどういうイメージを持つでしょうか?まして、「遺言」などと聞くと、おそらく多くの人は「縁起でもない」、と拒否反応を示しますよね。

でも、現実に、相続は遅かれ早かれ、誰にでも起きる現実の問題ですし、現に、市民法律相談の8割近くが相続がらみの問題なので、皆さんすごく関心を持っている事が窺えます。

「私の親には財産なんてないから関係ない」、と思っていても、借金や損害賠償責任などのマイナスの財産も相続されてしまいます。

例えば、親が何千万円の借金をしていたとします。「親の借金なんて子供には関係ない」と3ヶ月も放っておくと、その借金を払わざるを得なくなってしまいます。

また、父親が死の直前になって、愛人ができて、何億円もあった財産を「愛人にすべてあげる」、との遺言を書いて亡くなったとしましょう。

それを知っていながら、「私には遺留分があるから大丈夫」、と安心して1年もそのままにしておくと全ての財産は愛人にいってしまって、最早、取り返せなくなってしまいます。

すごく仲の良かった兄弟が相続財産をめぐって骨肉の争いを繰りひろげるのは、何もテレビのワイドショーだけの問題ではありません。

法律は本来、弱者を守るべきである筈なのに、現実は必ずしも、理想どおりにはなっていません。むしろ、法律をうまく利用して、強者が法律を知らない弱者を食い物にしたりしていることも、少なからず存在します。

正しい法律知識を身に付けておく事が、このような骨肉の争いや、泣き寝入りをしない為に必須のものと考えます。

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相続(1)・・・相続

相続とは何でしょう?

その昔、相続の中心は「家」の主としての戸主の地位を引き継ぐ家督相続でした。

でも今では、私有財産制のもとにおいて、亡くなった人(被相続人という)の財産を誰かに帰属させる制度となっています。

一般に亡くなった人(被相続人)の財産を、亡くなった人と一定の親族関係にあった人(相続人)が相続する方法には次のつがあります。

  1. 遺言相続・・・被相続人が遺言と言う形で意思を表示した場合。この場合は原則として遺言に従って処理されます。
  2. 法定相続・・・遺言がない場合には、民法が定めたルールによって処理されます。
    民法が定めたルールには、誰が、何を、どれだけ相続するかという事が書かれています。

相続(2)・・・相続人
(代襲相続・相続欠格・排除・相続放棄等)

亡くなった人と一定の親族関係にあった人のことを相続人と呼びます。
では、相続人となれるのはどの範囲の人でしょうか。

相続人の種類2類型あります。

第1類型は血族です。血族には順位がついています。

  1. 被相続人(亡くなった人)の子又はその代襲者
    (既に被相続人の子が亡くなっていた場合の孫)
    非嫡出子(父と母の間に婚姻関係のない子)でもかまいません。
  2. 直系尊属(祖父母、曾祖父母)
  3. 兄弟姉妹またはその代襲者
    (既に兄弟姉妹が亡くなっていた場合の甥、姪)

第2類型は配偶者です。
相続人に関する重要なポイントは4つあります。

  1. 配偶者は常に第1順位の相続人となること。
  2. 子。兄弟姉妹について代襲相続という制度があること。
  3. 胎児について特別のルールがあること。
  4. 一人の人間に、相続人としての資格が重複して生ずる場合があること。
1.について
  • 昭和22年の民法改正前は被相続人に、たとえ非嫡出子といえども子があれば、配偶者は相続人となれませんでした。
  • 昭和22年の改正で配偶者の相続分は3分の1となりました。
  • 昭和55年の改正で子とともに相続人となる場合は2分の1となりました。
  • 注意すべきなのは内縁の配偶者には相続権は認められません。理論的には検討の余地はありますが実務は戸籍上から判断できない以上、認めていません。
2.について
  • 相続欠格・廃除により相続権を失った場合も含まれます。
  • 相続放棄は代襲原因になりません。
  • 再代襲相続もあります。
3.について
  • 胎児は相続については既に生まれたものとみなされます。
  • ただし、死んで生まれた場合はこの例外は適用されません。
  • 遺産分割した後に胎児が生まれると遺産分割をやり直さなければいけません。
4.について
  • 養子と代襲相続の重複・・・2口分の相続が認められる。
  • 養子と配偶者相続の重複・・戸籍先例は配偶者としての相続資格しか認めません。

相続(3)・・・「相続欠格」・「廃除」

(推定)相続人が相続人として資格を失ってしまう場面つあります。

第1に、相続開始前に、推定相続人がその意思に反して相続人としての資格を奪われる場合。

第2に、相続開始後に、相続人が自らの意思で相続人としての資格を放棄する場合。
 

(1)相続開始前の相続人の資格剥奪この場合も、更に2つに分けられます。

(イ)「相続欠格」

法律上当然に相続人でなくなります。

相続欠格とは、推定相続人が、相続する事が正義に反するような行為を行った場合のことです。

(例)

  • 被相続人や自分より先順位、若しくは同順位の相続人を殺害殺そうとして刑に処せられた場合。
  • 詐欺や強迫によって、被相続人が遺言したり、取り消し・変更するのを妨げたりした場合。
  • 詐欺や強迫によって、被相続人に遺言させたり、取り消し・変更させたりした場合。
  • 遺言を偽造・変造・破棄・隠匿したりした場合。

(判例)

・自分に有利な遺言を破棄した場合は欠格事由にあたらない。
・遺言の押印が欠けていたのを、補充した行為は偽造・変造にあたるが、遺言者の意思を実現させるために、その法形式を整える趣旨でされたに過ぎない時は、欠格事由にあたらない。

(ロ)「廃除」
  • 被相続人が特定の相続人が相続する事を望まないで、且つ客観的にもそれがもっともであると判断される時。

  • 相続欠格ほどではないが、被相続人が相続させたくないと感じるような非行が相続人に有った場合。この場合は、被相続人は、家庭裁判所の審判または調停によって相続人の相続権を奪う事が出来ます。

(例)

  • 被相続人に重大な侮辱を加えた場合。
  • 推定相続人に著しい非行が有った場合。

(判例)

・一時の激情に駆られ侮辱的な言葉を述べても廃除事由にあたらない。
・A男の妻BがC男と同棲しC男の子供を生んだ。
・A男がBの廃除を申し立てた。

(原審)廃除は認めない。相続権を奪いたければ離婚すればよい。
(高裁)たとえ、廃除の理由が離婚原因にあたるとしても、離婚を請求するか廃除を請求するかは配偶者の自由である。

相続(4)・・・「相続放棄」

相続が開始すると相続人は次の3つから選択できます。

(イ)相続そのものを拒否する事が出来ます。(相続放棄)

(ロ)借金が多くて相続財産がトータルでマイナスになっているおそれがある場合は、とりあえず相続財産限りで債務を清算し、なおプラスがあれば承継するという選択をする事が出来ます。(限定承認)

(ハ)原則通り、相続財産を包括的に承継できます。(単純承認)

〔注意点〕
  • 相続放棄は自分のために相続の開始があった時から、3か月以内に家庭裁判所に申述しなければなりません。(熟慮期間)
  • 熟慮期間は相続人が数人いる時は、別々に進行します。
  • この期間は、利害関係人または検察官の請求により、家庭裁判所において伸長する事が出来ます。
  • 相続開始前に相続を放棄する事は出来ません。
  • 熟慮期間に相続放棄や限定承認がなされないと法定単純承認の事由となりますので注意が必要です。

(判例)

〈事例〉

・Aの父親Bは家出し生活保護を受けていて死亡した。1年後、Bは生前CのXに対する1000万円の債務について連帯保証人となっていた事が判明した。

・3か月以内に相続放棄をしなかったのは、被相続人に相続財産が全くないと信じたためであり、そのように信じるについて正当な理由があるときは熟慮期間は「相続財産の全部または一部の存在を認識した時または通常これを認識しうべき時から起算」すべきだとしました。

〈事実上の相続放棄〉

特定の相続人に相続財産を集中させる方法

(1)1人の相続人を除く他の相続人が、すでに被相続人から充分な生前贈与を受けているとして(特別受益という)自分の受益はゼロであるという証明書(相続分皆無証明書)を作成する。これを相続登記申請書に添付する方法。

(2)1人の相続人が遺産のほとんどを取り、他は名目的な財産を取ることを内容とする「遺産分割協議書」を作成・添付して相続登記する方法。

これらの手段は、事実上相続放棄と同じ結果をもたらすことができるので、事実上の相続放棄と呼ばれ現実には法律上の相続放棄よりも事実上の相続放棄のほうが多いようです。

今日事実上の相続放棄が使われるのは、家庭裁判所の審判が不要で手続きが簡単だという点と、熟慮期間を経過してからも利用できるという理由から、と推測できます。

これらは、あくまで相続人全員の合意に基づいてやらないと勝手に独り占めする事は出来ませんので、念のため。

相続(5)・・・相続財産

相続財産とは、一身専属的なものと祭祀財産を除くもの(包括承継)を、いいます。

具体的には、取消権、所有権、用益物権、担保物権、借地権、借家権、無体財産権、損害賠償請求権、社員権、有価証券、指名債権、預金債権、現金など、あらゆる積極財産が、含まれます。

また、保証債務(身元保証債務、限度額および期間の定めのない包括根保証債務等を除く)・連帯債務など、あらゆる消極財産も含まれます。

簡単に言うと、貯金も借金も含まれますよ、と言うことになります。

1.積極財産で問題となるもの

(イ) 占有権
占有権とは、物に対する事実上の支配権をいいます。観念的な占有権の相続についても、通説、判例はこれを、認めています。

(ロ) 預金債権
金融実務では、被相続人が死亡して、金融機関が死亡の事実を把握すると、預金が凍結されて払い戻しが出来なくなることが多いようです。

遺産分割協議を終えてはじめて、預金を取得した相続人に対して払い戻しが行われます。

(ハ) 不動産賃借権・使用権

  • 借地借家法36条では相続人がいない場合、内縁配偶者などの同居者に借家権の承継を認めています。

公営住宅について

(判例)最判平成2年10月18日民集44巻7号1021頁

公営住宅は住宅に困窮するものに対して安い家賃で貸しているのであるから、相続人が当然に承継するものではない、としています。

(ニ) 損害賠償請求権

  • 損害賠償請求権一般は、相続財産に含まれます。
  • 死亡事故による損害賠償請求権の内容としては、財産的損害として積極損害と、消極損害(逸失利益)があり、精神的損害として慰謝料があります。

(判例)最判昭和42年11月1日(百選62)

生命侵害による損害賠償請求権の相続を、消極損害、慰謝料のいずれも現在の判例は認めています。

(ホ) ゴルフ会員権

(判例)

・会員の死亡により会員資格を喪失するという、規則が定められている場合は相続財産に含まれない(一身専属的権利)。(最判昭和53年6月16日判時897号62頁)

・上記の規則があっても、他方で、相続による承継手続きも定められている場合は、承継人は理事会に正会員としての地位の承継を求める事が出来る。(最判平成9年3月25日民集51巻3号1609頁)

2.その他の財産権で問題となるもの

(イ) 生命保険金

  • 生命保険金は、保険契約に基づき、被保険者等が死亡する事によって指定された受取人に支払われるものです。従って、被相続人の相続財産ではありません。
  • しかし、人の死亡によって一定の金銭が支払われる点で、相続と類似する面もあり、相続税法上も「みなし相続財産」とされています。相続税の対象となります。
  • ただし、一定額までは非課税とする優遇措置も講じています。

(判例)最判平成14年11月5日民集56巻8号2069頁

基本的に受取人に指定されたものが固有の権利として生命保険金請求権を取得する。

(ロ) 死亡退職金

  • 死亡退職金とは、公務員や民間企業の従業員が死亡した場合に、使用者が遺族に対して支払う退職金であり、法令や企業の内規で受給者の範囲や順位が定められているものをいいます。
  • 被相続人の生活実態を前提として、遺族の生活保障のために定められているものと見られます。

(判例)最判昭和62年3月3日〔百選63〕

死亡退職金は相続財産には含まれない。

3.祭祀財産
  • 祭祀財産とは、例えば、仏壇とかお墓とかの所有権を指し、これらは、祖先の祭祀を主宰すべきものが、承継する事になります。
  • したがって、相続の対象とはなりません。

(判例)最判平成元年7月18日家月41−10−128

「遺骨」については、死者の祭祀供養を司るものに帰属すると考えられています。

相続(6)・・・「法定相続分」

一.相続分とは
  1. 相続によって、遺産が相続人に承継されます。
    相続人が、一人の場合と違って、共同相続の場合は、その財産を共同相続人の間で分割しなければなりません。(遺産分割)
     
  2. では、この相続分(分割の割合)は、どのように決めるのでしょう。
     
  3. 相続分を決める際の理念は、2つあります。
    (イ) 相続人間の公平(法定相続分)
    (ロ) 被相続人の意思(指定相続分)
二.法定相続分
  1. 相続分について、被相続人が何らの意思を表明していなかった場合のために民法900条は法定相続分を、定めています。
     
  2. 民法の定める法定相続分は、次の通りです。
     
  3. (1)子と配偶者が相続人である時は、
    子1/2、配偶者1/2
    です。
    子が複数いる時は1/2を人数の頭割りで等分に分けます。
    ただし、非嫡出子(婚姻外の子)の相続分は嫡出子の相続分の1/2です。

日本における非嫡出子の出生率に占める割合は1%台です。実数も1万人台です。
これは、世界的に見ても、極めて少なく、注目すべき現象といえます。

近年の欧米における非嫡出子増加の最大の要因は、法律上の婚姻を選択しないカップルの増加にあるといわれています。

この傾向が、やがて、日本にも波及するのかどうかが注目されます。

(2) 配偶者と直系尊属が相続人である時は、

  • 配偶者の相続分2/3直系尊属の相続分1/3です。
  • 直系尊属には、普通養子の場合、養親だけでなく実親もいる事に注意を要します。
  • 複数の尊属間の割合は等分です。
  • 直系尊属のみが相続人である時は、相続財産を均等に分ける事になっています。

(3) 配偶者と兄弟姉妹

  • 配偶者と兄弟姉妹が相続人である時は、配偶者の相続分3/4兄弟姉妹1/4です。
  • 複数の兄弟姉妹間の割合は「相等しいもの」とされています。
  • 兄弟姉妹の相続分については、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹(これを半血の兄弟姉妹といいます)の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹(これを全血の兄弟姉妹といいます)の1/2とされています。

相続(7)・・・「指定相続分」

一.指定相続分
  • 被相続人は、遺言で共同相続人の相続分を定め、これを定める事を第三者に委託する事が出来ます。
    これを、指定相続分といいます。
  • 相続分の指定は、遺言でしなければなりません。なぜなら、生前に相続分を指定する事は紛争を招きやすいし、生前なら贈与によって、同じ目的を達成する事が出来るからです。
二.一部の指定
  • 共同相続人の一部についてのみ相続分を指定した時は、他の共同相続人の相続分は、法定相続分の規定によって定められます。
三.包括遺贈との関係
  • 包括遺贈とは、遺産の全部または一定割合で示された部分を遺増することです。
  • 例えば、「遺産の1/3を与える」などと、遺言に書きます。
  • 包括遺贈の相手は、相続人に限られませんが、相続人に対する包括遺贈は実質的には、相続分の指定と見ることが出来ます。
  • 相続人以外に包括遺贈がなされた場合も、包括受遺者が相続人と同視され、相続分の指定がなされたのと同じ結果になります。
四.遺留分との関係
  • 遺留分を侵害する相続分指定がなされると、遺留分を侵害された相続人は遺留分の減殺請求ができます。
五.特別受益が有る場合
  • 特別受益制度とは、生前贈与や遺贈を受けた相続人がいる場合、相続人間の公平のために、相続分算定の際にこれを考慮する制度です。

相続(8)「遺贈」

一.特定遺贈
  • 遺贈には、特定の財産を与える特定遺贈と、遺産の一定割合を包括的に与える包括遺贈があります。

1.包括遺贈は、相続分の指定と解されますので、それだけで相続分が決まります。包括受遺者は相続人と同一の権利義務を有しますので、一身専属的な権利義務を除き、相続財産に関する、一切の権利義務を承継します。

また、遺産分割協議の当事者となります。

2.特定遺贈は、特定された相続財産あるいは種類等によって指定された相続財産を与える処分行為です。

受遺者は権利のみが与えられ、相続債務を承継するものではありません。
したがって、特定遺贈における受遺者は、いつでも遺贈の放棄ができます。

また、利害関係人は遺贈の承認・放棄を受遺者に催告する事ができます。
特定遺贈の受遺者は、遺産分割協議の当事者にはなりません。

三.負担付遺贈

負担付遺贈とは、受遺者に一定の法益義務を負担させる事を内容とする遺贈です。
実務上も、非常に多く見受けられます。

例えば、「妻の面倒を見ることを条件として、特定の不動産を与える。」というようなものです。

表現上は、「条件」ですが、実質は「負担」です。
受遺者が、負担を履行しない場合は、問題となります。

この場合は、相続人は相当の期間を定めて、その履行を催告し、その期間内に履行されなければ、相続人は家庭裁判所に遺言の取り消しを請求する事が出来ます。

相続(9)・・・「寄与分」

寄与分は、実際の実務では非常に重要です。
法律相談を受けていると、時々こういう質問が出てきます。

「私は、高校を卒業してすぐ、家業を継いで働いて、家業の発展に大いに貢献したのに、兄は、仕送りを受けて、大学院まで行かせて貰った。相続の時の相続分は同じなのでしょうか?」

この場合において、兄が法定相続分を主張して譲らないと、骨肉の争いが演じられます。仲の良かった兄弟がまさに、犬猿の仲になってしまうのです。

一.寄与分

1.寄与分制度

前述の弟が働いて、兄が学校へ行った場合に弟と兄が全く同じ相続分になってしまうという不公平を是正するため、弟の寄与を相続において考慮しようというのが、寄与分の制度です。

2.寄与者の範囲

寄与分制度によって利益を受ける事が出来る者は、相続人に限られます。
従って、内縁の配偶者は含まれません。

また、父親の農業を息子が手伝っている場合、息子の嫁も一緒に働いている事が多く見受けられますが、相続人の配偶者は含まれません。

3.寄与とは?

被相続人の財産の維持・増加に特別の寄与があることが必要です。

〈例〉
農業や自家営業を夫婦・親子が協力して行うような場合が典型です。

本来なら、被相続人の費用で看護人を雇わなければならないところを、相続人の看護のかげでその費用の支出を免れたという場合も特別の寄与にあたります。

相続人の中でも配偶者が看護した場合は、夫婦間の協力扶助義務の履行に過ぎないので、特別の寄与にはあたりません。

財産上の効果を伴わない寄与は、ここに言う特別の寄与には、あたりません。夫婦の協力扶助義務や親族の扶養義務の範囲を超えた寄与が必要です。

4.寄与分確定の手続き

まず、共同相続人の協議で定めます。

協議が調わず、または出来ない時は、家庭裁判所は、寄与者の請求により、あらゆる事情を考慮して寄与分を審判によって決めます。

寄与分のような微妙な判断は、それだけ独立して行うより、遺産分割の中で、柔軟に考慮する事が求められます。

そこで、家庭裁判所への寄与分の申し立ては、遺産分割の手続きの中で行う事が要求されています。

相続人間の公平のための寄与分は、被相続人の意思に反しない限りで認められます。
すなわち、寄与分は、遺産の価額から、遺贈の価額を控除した額を超えることが出来ません。

Q10.「相続財産の清算」
・・・「限定承認」・「特別縁故者制度」とは?

一.限定承認

1.利用状況

限定承認は、被相続財産に積極財産があるが、債務も相当あり、最終的にプラスになるかマイナスになるか分からないという時、相続財産限りで清算し、もしプラスがあれば相続することを可能にする極めて合理的な制度です。

このように合理的な制度であるにも拘らず、手続きの面倒さのために、利用する人は極めて僅かです。

2.面倒な手続き

手続きは、まず、熟慮期間内に財産目録を調整して相続人全員で家庭裁判所に限定承認の申述をします。

次に、債権者に債権の申し出を催告をするなどの手続きを経て、破産の際の破産管財人のように清算業務を行わなければなりません。

二.相続人の不存在

1.相続人が不存在の場合の処理

一種の財団法人を作って相続財産限りでの清算をします。

相続人がいるが、行方不明の場合は、相続人不存在の問題ではなく、不在者の財産管理の問題となります。

2.残余財産の帰属

1.特別縁故者制度

相続人が存在しない場合は、原則として相続財産は国庫に帰属します。

しかし、被相続人と同居していた内縁の配偶者には、相続権はありませんが、だからといって、国庫に帰属させるのも、適当ではありません。
そこで、特別縁故者の相続財産分与制度が導入されました。

2.特別縁故者制度の特徴

(イ)相続人の不存在の時のみ機能します。

(ロ)特別縁故者の請求があってはじめて分与がなされます。

(ハ)当然に分与されるわけでなく、家庭裁判者が適当と認めた場合のみ、分与がなされます。

3.特別縁故者とは

(イ)特別縁故者とは、「被相続人と生計を同じくしていたもの、被相続人の療養看護に努めたもの、その他被相続人と特別の縁故が有った者」です。

(ロ)被相続人が世話になっていた老人ホーム、市町村、菩提寺などの法人でも構いません。

4.手続き

特別縁故者は、相続人捜索の公告期間の満了後3か月以内に、財産の請求をしなければいけません。

これに対し、家庭裁判所が適当と認めれば、清算後残存する相続財産の全部または一部を与える事になります。
その上で、なお残った財産があれば、国庫に帰属します。

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