婚姻(12)・・・婚姻の成立要件その2

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Q12.相手が意識不明の重体に陥った時提出した婚姻届は有効ですか?

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A12.

1.届出受理の時点で意思能力のない婚姻届の効力

2.〈事例〉

A男は肝硬変で入院していたが、事実上の夫婦関係にあったB女と正式に結婚することにし、婚姻届の書面を作成した。

しかし、まもなくAの容態は悪化し、婚姻届が受理された時点では昏睡状態にあり、受理の約1時間後に死亡した。

そこで、Aの弟Cは、AB間の婚姻は無効であると主張した。

もし、婚姻が無効だとすると、Aの遺産はCが相続する事になってしまう。

どう考えるべきだろうか?

3.〈判例〉最判昭和44年4月3日(民集23−4−709)

・婚姻届の作成時に婚姻の意思があり、AB間に事実上夫婦共同生活関係が存続していたとすれば、届出の受理時に意識がなくても、「届出受理前に死亡した場合と異なり、届出書受理以前に翻意するなど婚姻の意思を失う特段の事情がない限り、右届出の受理によって、本件婚姻は有効に成立する」と判断しました。

・この判例の立場はその後の判例、最判昭和45年4月21日(判時596−43)〔百選2〕でも踏襲されました。

4.婚姻届作成後の翻意

・届出を婚姻の成立要件とする伝統的な理論からすると、婚姻届作成後に一方当事者が翻意すれば、婚姻は無効ということになります。

5.不受理申出制度

・法律上の根拠はありませんが、実務上の取り扱いで、不受理申出制度と呼ばれる制度があります。

・この制度は、婚姻等の意思がないのに届出書が作成された場合や、届出書に署名した後に翻意した場合などに、届出書を受理しないように本籍地の市町村長に申し出る制度です。

・受付時から半年以内の一定期間、届出がなされても不受理の扱いがされます。

・この制度は離婚届の際にも利用され、実際は離婚届の利用のほうが多く見受けられます。

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